MENU

ベトナム人の平均年収は?給料が高い業界や日本で働く場合の年収も解説


日本で働く外国人労働者のうち、ベトナム国籍を持つ人は、厚生労働省が発表している「外国人の雇用状況まとめ」(2021年10月末時点)によると、453,344人と最も多いです。

なぜ、多くのベトナム人が日本で労働しているのでしょうか。今回の記事ではベトナム人の平均年収、ベトナムで年収が高い職業や日本で働く場合の年収について紹介します。

目次

ベトナム人の平均年収

2019年のベトナム人の国内平均年収は、日本円に換算した場合、約41万円です。月収で換算すると、約3.4万円の収入があると想定できます。

2010年の平均年収は18.4万円であるため、約10年の間に2倍以上の伸び率を達成しています。日本の平均年収は、国税庁が発表している「民間給与実態調査」によると、約436万円です。

物価など経済事情が違うため単純に比較をすることができませんが、ベトナムの平均年収とは10倍以上の差があることが明らかです。ベトナムと日本の年収の違いがベトナム人にとって魅力を感じ、毎年日本に来る労働者が増加する理由になっています。

ベトナム国内の収入は、地域によって格差があることに留意してほしいです。年収が高い仕事はハノイ市やホーチミン市など都市部に密集しています。そのため、都市部以外のいわゆる地方は、十分な収入を得ることができない、低所得地域になっています。そのため、地方から都市部、都市部から日本へと進出したい人が増加していると考えられます。

年収が高い業種・職種

ベトナムで、年収が高い職業は、3つあります。

金融・銀行・保険業

日本においても金融業界の平均年収が他の職業と比べて高い水準にあります。ベトナムでも同じです。ベトナムの2019年の平均年収は、55.3万円になっています。

ベトナムでは、中央銀行であるベトナム国家銀行の影響力が強いです。以前は、ベトナム国家銀行のみで中央銀行と商業銀行の両方の機能を持っていました。1986年のドイモイ(刷新)政策の採択後は民間資本も参入しました。ですが、現在もベトナム中央銀行の持ち株率が50%以上を占める銀行が多いです。つまり、ベトナム国家銀行が全てを牛耳っているということになります。

ベトナムの金融機関、特にメガバンクの多くが国家が運営していたという経緯を持つことから、規模が大きく安定し、平均年収も高いのではないかと考えられています。

発電・配電・ガス等

ベトナムは、電気やガスなどインフラ設備の職業も年収が高いです。ベトナムの2019年の平均年収は、55.2万円となっています。

ベトナムでは、国営のベトナム電力総公社(EVN)が発電市場の60%前後を占めていて、国内のほとんどがベトナム電力総公社を利用しているということになります。また、電力やガスへ新規で参入しようとすると設備投資の費用がかかるため、簡単に新規参入をすることができません。そのため、インフラ関係の企業は安定していて、平均年収が高いのではないかと考えられています。

情報通信業

ベトナムは、技術力の急速な発展により情報通信業、なかでもITエンジニアの需要が増加しています。年収も高く、2019年の平均年収は50.7万円です。

IT関連の仕事は海外企業からの依頼があるため、海外企業に合わせて高額な費用で受注することができます。そのため、他の職業に比べて平均年収も高くなりやすい傾向があると考えられます。

ベトナムの平均年収の推移

ベトナム人の平均年収は、国内GDPの上昇にともなって高くなってきています。ベトナムでは2010年以降GDPが右肩上がりとなり、年収もGDPの推移とともに推移しています。ベトナムの2010年の平均年収は18.4万円で、2019年の平均年収は上記に挙げたように約41万円になっています。

2021年以降も、GDPの伸び率によって平均年収も高くなっていくのではないかと考えられています。ですが、2020年は国内経済がコロナウィルスの影響を受けて、各家庭の収入が減少傾向となりました。

具体的には、2019年と比べると、月収が2%減少しています。ベトナムは毎年平均で約8.1%上昇しているため、コロナウイルスが生活に影響を与えた結果は、大きいと考えられています。

日本でベトナム人が働く場合の年収

日本の平均年収は約430万円程度となっており、ベトナムと比べると平均年収が約10倍高いです。給与制度も日本とは異なり、「13ヵ月目の給料」という独特のシステムが存在します。テトと呼ばれている旧正月の前に、正規の給料にプラスして1ヵ月分に相当する金銭を給料とするシステムです。これは法律に従ったものではなく、多くの会社で慣習として実施されています。ボーナスは「13ヵ月目の給料」とは別に、支払います。

また、ベトナム人が日本で働く場合、日本の最低賃金が適用され、最低賃金以下で働かせるということはできないようになっています。日本では、最低賃金が地域ごとに違うため、企業によって外国人労働者に支払う最低賃金が変わるということも留意してほしいです。

日本の2021年の平均最低賃金は、930円です。2020年より28〜32円上昇しています。例えば、ベトナム人が、1日8時間のフルタイムを最低賃金である930円で20日間働いた場合、月収は14万円超となります。

ベトナム国内の月収である3.4万円の4.3倍以上の金額となり、高額の収入になります。つまり、ベトナムで約4〜5ヶ月働いた場合の収入を、日本では1ヶ月で得ることができるということになります。さらに、日本人同等の給料を支払う必要があるため、ボーナスが支給されることもあります。

日本の賃金の高さがベトナム人にとって魅力を感じ、ベトナムから日本に働きに出る人の割合が増加する要因の一つになっていると考えられます。

まとめ

ベトナムの平均年収、年収の推移、日本で働く場合のベトナム人の平均年収について解説をしてきました。日本で働く場合の平均年収は、ベトナムのみならずどこの国の外国人労働者にも当てはまることです。

ベトナム人が日本で働く大きな理由は、母国で働くよりも多くの収入が得ることができるからだと考えられます。ベトナム人が日本で働くことを目指す理由が理解できればうれしいです。この記事で、ベトナム人の平均年収について少しだけでも理解の手助けに役立つことができたならうれしいです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次
閉じる